せいぎのみかた
第1話「ヒーロー誕生!?」

時は21世紀…。地球から遥か、遥〜か、は〜る〜か遠〜〜〜い星。
そこには、『5つ全てを手に入れると大いなる力が自分の物になる。』
と、言われている、『パワークリスタル』と呼ばれる物があった。
それは、ある湖の真中に建っている一つの塔にあり、管理、そして
パワークリスタルを狙う様々な者達から護られてきた。
しかし…。ある日…。

この星の近くに漂っている宇宙船の中…。

「…やっと見つけた。この星だ…。」
「しかし、本当にこの星にあるのか?そんな話は聞いたことが無いが…。」
「たとえ、どんなに隠そうとしても情報ってモノはどうしても漏れるものだ。」
「んで、どうするつもりなのだ?」
「話した所で、『はい、そうですか。』と、簡単に行くはずが無いだろう?」
「それもそうだな。」
「なら…やる事は一つか…。」

そして、その船は星に降りて行った…。

一方、塔の中では一人の女性が、管理されている5つのクリスタルを見て、
「今日もすこぶる平和ね〜。」と、呟く様にそう言った。
しかし…その時!!

『ドオォォォォォォォォン!!!』
もの凄い爆発音と振動が、この塔を襲った。

「な、何!? 何なの!? 一体何が起こったのよ!?」
彼女は近くにあったコンピュータに向かい、画面を見て、
「嘘ぉぅ!?侵入者ですって? げっっ!!もうここの近くまで来てるじゃない、
もう! …ってそれより何とかしなくっちゃ…。」
と、パニクっていた。
そのもう一方では…。

「何処かにパワークリスタルがあるはずだ!! それ以外は無視しろ!!」
「くそぅ…何処にある!?」
奴等は破壊を繰り返しながらも、確実に向かって来ていた…。

「どうしよう…、このままではパワークリスタルが悪用されてしまう…。そうだ!!」
「どこか、人の居ない星へ行ってしばらく身を隠せば、奴等も多分諦めるに
違い無いわね…。 そうと決まれば…。」
そう言って呪文を唱えると、パワークリスタルは光りだし、そして彗星の様に
尾を描き彼女の体の中へと入っていった、そして宇宙船が置いてある所へと、向かっていった。

『流石に…、5つ全てを入れるのは少し…無理があったみたいね…。 意識が遠のきそう…。』
彼女はそう思いながら船へと乗り込んだ。

「え〜と、ここをこうして…、この部分をこうしたら…後は…。」
「後は…自動運転にして…。」
そう言った後、彼女は意識を失い、運転装置に手をつき、倒れた。
しかし、幸運にも宇宙船は動き出し、この星から出発しようとしていた。

だが、クリスタルを狙う奴等の一人が発進した宇宙船を窓から見ていた…。

「!! 奴は宇宙船に乗って逃げる気だ!!」
「何!?」
「今すぐその船を追うぞ!!」
そう言って奴等も宇宙船に乗り、追いかけて行った…。

…こうして…これからの話の全ての原因が始まり、そして…
パワークリスタルは宇宙の何処かへと向かって行った…。
さぁ、これからどうなる事やら…。

一方ここは地球の日本、東京都内の都心部から、かなり離れた所…。
(詳しく言えば多摩地区。)
そこの普通の一軒の民家……。

「ぎゃーーーーーーーー!!」
爽やかな朝に響き渡る、そんな叫び声。
そして次に聞こえてくるのは、『ドドドドドドドド!!』
と、階段を駆け降りる音…、しかし次の瞬間…。
『ドドドドド…ドカッ!! ゴロゴロゴロゴロ…ドサッ!! 』「痛てっ!!」
どうやら階段から転げ落ちたようだ。

「……。痛てて…。」
そう言いながら、その少年は起き上がった。
その少年の名は、『出原 一世』(いではら・かずや)10歳の小学5年生だ。

「行ってきます!!」
「あら、あんた朝ご飯は?」との、母親の問いに、
「今日は、いい!!」
そう言って一世は玄関に走っていった。

「あー、やばい!! 遅刻するーーー!!」
そう言いながら通学路を走っていく一世…。
そして、あるT字路を通り抜けようとした時、
右側の角からも人が出てきたのだ!!
お互いに避けることができずに、そして…二人はぶつかってしまった。

「いてててて…。何か今日は朝からコケてばっかりだ。」
と、一世は言った後、ぶつかってしまった相手の方を見た。
ぶつかってしまったのは、女の子だった。
彼女は起き上がり、
「すいません…。 少し急いでいたので…大丈夫ですか?」
と、言った後、一世の顔を見て、何かに気づき、そして一世もまた、
彼女の顔を見て気が付いた。
そしてお互いにこう言った。

「あ。」
そして少し沈黙が続いた後…。

「一世〜〜〜!!! あんたねぇ!! ちゃんと前見なさいよね!!!」
彼女はそう一世に怒鳴りつけた。
一世は彼女に聞こえない様に呟いた。
「…それは、お前も同じだろ!」
「あっ!! 何その言い方!! ムカツク!!」
『げ…。聞こえてた…。』
一世はそう思った後、話をすりかえるように、
「あっっ!! 遅刻する!! 急がねば!!!」
そう言って、物凄い勢いで走って逃げていった。
「ったく〜!! あの奴は…謝りもしないで…。」
「この野郎!! まずは謝るのが常識だろうがーーー!!」
そう言って、彼女も物凄い勢いで、一世の後を追いかけてきた。

紹介が遅れたが、彼女の名前は『小鳥遊 未来』(たかなし・みらい)
こいつも一世と同じ、小学校5年生。男まさりの女の子である。

「げっっ! 速い!!」
一世は後ろを振り返り、そう言った。
「待てーーーー!!! 一世!!」
「待ったら、殴られるーーー!!!」
二人は凄い速さで(学校へ)走っていった…。

一方、例のパワークリスタルを持って逃げた宇宙船の中―。
「ん…。」
「う…。どうやら、気を失っていたみたいね…。」
その時、けたたましい警告音が鳴り響いた。
彼女はコンピュータに近寄り、呟いた。
「!? 嘘…。コントロール不能? じゃあ、これは何処へ行くの?」
「え〜と…行く先は…。!?」
「ち、地球ぅ〜〜〜〜!? それって、何処なのよ〜〜〜〜!!」
「あ、それよりも、沢山の人がいる星なんかに行ったら、関係無い人達まで
巻き込んでしまうじゃないのよ! 一体どうすれば…。」

こうしている間にも、宇宙船はどんどん地球へ向かっているのでした。

また、一方―。
『キーン・コーン・カーン・コーン…。』と、チャイムの音が響く…。

「また、あの二人は遅刻か…。今日は先生が来る前に間に合うかなぁ…?」
そう言った、この少年の名前は『榊 北斗』(さかき・ほくと)
もちろん一世達の友達、少し複雑な家庭の事情がある奴だ。

「そんな事言わないでよ、北斗君〜〜。」
「あ〜…もう、未来ちゃん…遅刻だよ〜。」
こいつは『高梁 昴』(たかはし・すばる)未来とは幼稚園の時からの仲。
気が弱い性格の為か、昔よくいじめられ(と言っても、からかわれる程度だが。)
その度に未来に助けてもらっていたりする。若干、天然入ってたりもする。

「そんな事、結構よくあるじゃない、心配してたらキリがないわよ。」
近くにいた髪の長い女の子がそう言った。
「麻衣子ちゃん…。」
と、昴は言った。
麻衣子と呼ばれた、彼女の名前は『岬 麻衣子』(みさき・まいこ)
優しく、おっとりした性格の子である。

そして…。
「あの二人は…また遅刻ね…。はぁ〜。」
一世達の担任の先生がそう言った。
その時、教室の扉が開き、こう言う声がした。
「すいません…。遅れました…。」
そう言って、一世と未来が入ってきた。
二人を見て先生は言った。
「もういいから…二人共、席につきなさい。」
「ったく、テメーの所為だぞ。」
一世は、未来に向かって言った。
「何ィ〜!? それは、テメーの所為だろうが!!」
未来がそう言うと同時に、二人は取っ組み合いの喧嘩を始めてしまった。
しかし…、
「やめんか!! 二人共!!!」
先生の怒鳴り声が教室中に響いていった…。

一話後半へ。


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