せいぎのみかた
第5話｢接触｣

※前回のあらすじ※
北斗も無事変身することが出来るようになり、残るは後二人となった。
しかし、敵の四天王の中に、一世達のクリスタルのと同じ様な聖獣を従えている者がいて、
北斗の事を助けたりと、謎は増える一方であった。

ブラックドラゴンは考えていた。
『手下を送り込んでみたものの…、クリスタルの行方はおろか、戦士となっている者の情報一つすら得られないとは…。』
そこへ、残りの四天王３人が来た。
｢ブッラクドラゴン、用とは何だ?｣
｢ああ、試しに手下を何体か送り込んだものの、手がかり一つ得られていない。
このままやっていったとしても、上手くいかないのは目に見えている。綿密な作戦を練る必要がある。しばらく様子を見ることにしよう。｣

一方ミーナの宇宙船では…。

｢なんだってーーーーーー!! 全く知らない聖獣を見ただとーーーー!!｣

｢本当なのか!? 北斗!!｣
そう言って一世は北斗ににじり寄った。
北斗は言った。
｢ああ。はっきりとは見えなかったけど、俺が見たのは、銀色の４つ足の聖獣だった。｣

昴がミーナに尋ねた。
｢で、でも、パワークリスタルって僕達が持ってる、５つだけしかないんでしょ?｣
そして、ミーナは言った。
｢私はそう親から聞かされたけどねぇ…。｣

未来が言う。
｢うちらが持っている奴とは、よく似てるけど違うってやつかも知んないよー。｣

｢もしかしたら、その伝えられた話が間違っているのかも知れないって事もあるよね。｣
と、麻衣子。

｢確かにそういう可能性も、無いとは言い切れないわね。う〜〜ん…。｣
ミーナは困った顔をして、髪をかきあげながらそう言った。

その時だった。

｢あっ!!｣
と、未来が叫んだ。
｢どうした!!｣
と、一世が未来に訊く。
｢いけない!! 今日は親が夜まで帰って来ないんだった! 弟が待ってるかも知んないから先に帰るわ! じゃーねー!!｣
そう言うと、未来は床に置いてあったランドセルを取り、急いで背負って、帰ってしまった。

｢気をつけてね〜。｣
｢バイバ〜イ。｣
｢また明日。｣
｢怪我すんなよ〜。｣
と、一世達が未来を見送ったその時。

ミーナが大きな声で叫んだ。
｢あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!! しまったーーーーーーーーーーーーーーーーー!!｣

一世達は、そのミーナの声にビックリしながら、彼女に尋ねた。
｢なッ!! 何ッ!?｣

｢皆にコレを渡そうと思ってたのよ。｣
そう言うと、彼女は時計みたいなブレスレットを出した。
一世がそれを手に取って、訊いた。
｢何? これ?｣

｢まぁ、簡単に説明するとね。一世君達が奴等を倒して、持ってきたアレあるでしょ。
ちょっとアレをさ少し弄ってそれの中に組み込んでみたの。あと、その他の装置と組み合わせたの。
もしも奴等が来たら、この中にあるアレが反応して、どの方向の、どの位離れた位置にいるのが解るのよー。
後、ちゃんと通信機能も付いてるわよ、凄いんだから。｣
｢まるでヒーローの変身ブレスレットみたいだ。｣
｢そうだな、何かそれっぽいよな。｣

一方…。
ガチャガチャと背負ったランドセルを鳴らしながら、未来は帰り道を走っていた。
｢やべー、あいつ玄関で待ってるかも知んないな〜。確か、あっちは授業終わるの早いからなぁ〜。｣

ふと、ユニコーンが叫んだ。
｢未来…。未来!!｣
未来は足を止め、尋ねた。
｢何？ 急にどうしたのよ。｣
ユニコーンは、きょろきょろと辺りを見渡して言った
｢おかしい…。｣
｢一体何が?｣
｢さっきから妙に静かだと思ったら、周りに誰もいないんだ…。｣
それを聞いた未来も辺りを見渡した。
｢本当だ…。人が一人もいない。物音すらしない…。やだ…？ 何？｣

その時だった。
｢誰か来る!!｣
ユニコーンが叫んだ。
｢えっ!? 嘘っ!? どこよ!!｣
そう言って未来は辺りを見渡した。
すると、良くは見えないが、前方から歩いて来る人影が見えた。
その人影は、未来達の方へ向かって来てるのが解った。
そして、その人物がはっきりと見える位の距離まで近づいた時、未来達は呟いた。
その人物の格好が、未来達が知っている限りの範囲では、ありえない筈のものだったからだ。

｢嘘でしょ…？｣
｢まさか…。そんな筈は!!｣

その人物は未来達の前1ｍ位の所で立ち止まった。
未来達は、最初は見間違えたのかと思った。
だが、至近距離から見て、やはり見間違いでは無かったと確信した。

少しピンクがかった赤、そう紅色といった感じの鎧、形状からしてどうやら女性のようだ。
肩と背中には薄紅色の翼、見せてもらった一世達のと、色々とデザイン等は異なるものの、それはまさしくクリスタルの｢戦士｣のものだった。

沈黙を破るかの様に未来が言った。
｢あ…、あんた一体何者なのよ!!!｣