せいぎのみかた
第6話「誰が為に」

※前回のあらすじ※
未来を襲った謎の戦士、『フェニックス』。
だが、未来はそのお蔭で変身する事が出来るようになった。
しかし、彼女は敵では無く、自分の持っているパワークリスタルが一体何なのか、
それを知りたくて未来に接触してきたと言い、そして数日前に一世と麻衣子を助けたのも彼女だった。
そして『フェニックス』こと菅原 晶は未来達に協力する事を約束したのであった。


それから数日経った暑い日の事、一世達はミーナの宇宙船の中で宿題をやっていた。

「ちくしょう〜、暑くて何にもやる気しねー。」
ソファの上でごろごろしながら、一世は言った。

それを聴いた北斗がそっけなく言う。
「暑くなくたって、お前はいつもやる気無ぇじゃねぇか。言っておくけど、出来ても見せないからな。」

「なんだよーいいじゃねーかよ。」
と、一世は北斗にまとわり付く。

「暑いからまとわり付くんじゃねぇよ。まったくよう。」

「そう言えば、まだ未来ちゃんは来ないのかなぁ。」
昴は窓の方を見て言った。

「もう少しじゃねぇの? 教室掃除ってそんなに時間かからねぇだろ。」
そう言って一世は、またソファの上でねっころがった。


一方、ナイトメアの宇宙船内。

ゴーストキラーは、沢山のイービル・コアが置かれている部屋にいた。
おもむろにその中から一つを手に取り、呟いた。

「ここであいつ等を出し抜き、クリスタルを手に入れ、俺の物にすれば…。」

「目覚めよ!! デモンローズ!!」

ゴーストキラーがそう叫ぶと、イービルコアが激しく輝きだし、凄まじいエネルギーの渦を巻き起こす。
次の瞬間閃光が走り、それが消えるとそこには、体中に茨が巻きついており、頭と左腕には大きなバラの花が、
その頭のバラの花の中心にはワニの様な顔を除かせている怪物が居た。

「いいか! デモンローズ、一つでもいい! 必ずクリスタルを奪って来るのだ! いいな!!」

「ははっ!! 必ず手に入れてみせましょう。」
そして、デモンローズは転送マシンに入り、一筋の光となって一世達がいる山へと向かっていった。


そして場所は戻り、再びミーナの宇宙船の中。

「うぉーい、おまたせ。」
そう言って未来がやってきた。

「お。やっと来やがったか。」
一世はソファから身体を起こした。

北斗はぶしつけに未来に訊いた。
「あ、そういや、話があるとか言ってたな。その話って何なんだ?」

「あ、そうそう、とても重大な話があったのよ。」
そして未来はこの間の事を一世達に話した…。

「じゃあこの前、俺達を助けてくれたのはその人だったって訳か。」
一世が真面目な顔をして言った。

しかし、麻衣子がミーナに問う。
「でも、パワークリスタルは全部で5個じゃないの?」

「私が知っている限りでは、その筈よ。でもあくまでも私の星、あるいは私の一族の間だけかも知れないし、もしかしたら…と言う事もありえるかも知れない。」

「つまり、他にもパワークリスタルが幾つも存在するかもって事?」
と、昴が言った。

「話を聞く限りではね。実際、同じような聖獣が居る事、そして似たような変身形態。まず間違いは無いと思う。ちょっと調べてみる必要があるわ。」
と言うと、ミーナは部屋から出て行ってしまった。

一世が両腕を組んで、ソファの背もたれにのけぞりながら言った。
「と、すると…、この前北斗を助けた奴もそうなのかね。」

しかし、北斗が言った。
「でも一瞬で、はっきりと見た訳じゃないからなぁ。」

「まぁ、それは兎も角、未来が変身出来るようになった上に、仲間まで一人増えたんだな。後は昴か。」
と、一世は昴を横目でちらっと見た。

「でも、僕に出来るのかな…。」
昴はそう言って俯いた。

それを見た一世は昴の背中を叩きながら言った。
「全くよう! お前、もうちょっと自分に自信を持ちやがれ!! 俺みたいによ!!」

それを聞いた未来が言う。
「あんたみたいに、根拠の無い自信にあふれているのもどうかと思うけどね。」

一世はその未来の言葉にむっとして言った。
「何だよその言い方。」

「あーら聞こえちゃったかしら。」
と、未来は一世をからかう様に白々しく言った。

「てめーケンカ売ってんのか、このやろー!!」

「別にそういうつもりじゃぁないわよ〜。」

そして一世と未来は口ゲンカで大騒ぎし始めた。(と、言うより、一世が一方的にからかわれていたのだが。)

その様子を見て北斗は、
「この調子じゃ、一世の宿題はまだ終わらないなぁ。」
と、呟いてため息をついた。
そして麻衣子と昴は、喧嘩を始めた一世と未来を止めるのに必死だった。


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